1. 食事サービスの向上
   患者の自己負担額が上がり、病院はこれから患者に選ばれる時代になった。
   今後、病院はサービス業としての性格を強め、体質改善していく必要がある。
   直営の場合、少なからず身内意識による遠慮が生まれ、思い切ったサービスが展開出来ない。給食は委託し、専門会社のノウハウを活用することが、食事サービスを向上させていく上で有効である。
2. 労務管理の軽減
   365日の業務であり、急な欠員等が発生する場合がある。
   委託にすると、給食部門の労務管理は委託業者で行うようになり、病院全体の労務管理の軽減、業務の効率化につながる。
3. 従業員の教育
   特に新入社員に対する調理指導、衛生管理指導など、日々の忙しい業務の中で行うことは難しい。
   委託業者は、年間カリキュラムの中でそれぞれの目的に応じた研修会を行っており、インストラクターと言う指導教育の専門家が対応する。
4. コスト削減
   平成14年の診療報酬改定はマイナス改定であり、世の中の情勢を見ても、今後も報酬額が上がることは期待できない。よって、将来を見据えたコストダウンが必要になる。
   食材費：地域で実績のある委託業者が大量購入することにより、スケールメリットによるコストダウンが図れる。
   人件費：直営の場合、従業員の定着率の問題からも正社員比率が高くなるのが一般的であり、定期昇給により人件費が上がる。委託運営の場合、将来的にはパート職員比率を高め、人件費を抑えることによって病院経営に貢献できる。
5. 危機管理の問題
   衛生管理に万全を期しても無菌状態の厨房で調理を行う訳ではないため、100%の無事故はありえない。
   万が一食中毒事故が起き、厨房機能が停止してしまう時、患者に対する食事提供の問題、損害賠償の問題等検討課題が多い。
   委託していれば、かなりの部分で委託業者が責任を負うことになり、病院経営におけるシルクは大幅に軽減できる。

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